◇ 辺りが十分に暗くなるのを待っていたように月が山の麓から顔を出した。月は濃い橙色に輝き、いつもに増して大きく見えた。 「やった!満月だ」 由紀が小さく叫んだ。 僕らはかくれんぼにも鬼ごっこにも疲れ果て、社の木の階段に並んで腰を降ろしていた。ど…
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