ずっと自分はスタンダードな社会人だと思ってきたのだ。にも関わらずいつの間にか最低限の生活すらままならない自分がいた。会社が年功序列をやめ能力主義にした途端、私の給料は大幅に下がり始めたのだ。会社は私の給料を初任給そこそこまで下げた。もっとも、途端と言ってもかれこれ三年は掛かっている。その意味では会社は私に三年の猶予期間を与えてくれていたのだ。その間、私が何の実績も上げられなかっただけだし、実際、同期の北澤などは給料が上がっているのだ。
「北澤なんて何一つ会社の為になることをしてない!」と彼を非難する連中もいる。しかし北澤は三年掛けてオーナーのお気に入りになった。我ままで自分勝手で世間知らずの二代目オーナーの、それこそオムツまで替えようという奉公ぶりそれは並大抵の努力ではなかった筈だ。彼は世の中の流れに沿って努力したまでに過ぎない。
 一方、私はと言うと、北澤を非難する連中と同様に、ぼんぼんの二代目オーナーがぶち上げる子供騙しの新規事業に目も呉れず「会社を再生するにはどうしたらいいか」などと不毛な悩みに明け暮れていた。結果は、オーナーにとって不要な人間として色分けされてしまったのだ。
 つまり私は、四十過ぎにして世の中の流れに取り残され、窓の外の寒々とした景色にも自分の人生を重ね合わせてしまうほどの負け犬に没落してしまったのだ。
 そんなおれだから妻子に捨てられるのは当然かもしれない。
 妻に恋人がいるのはしばらく前から知っていた。もっとも夫婦らしい関係が無くなって五年も経っていたから、健康な女性であれば別に相手を求めるのは自然なことで、おれは特に気にしていなかった。それというのも相手の男性にも家庭があったし、賢い妻が娘にそれと悟られるような行為には出ないだろうくらいに思っていたのだ。
 ところが妻は離婚したいと言って来た。相手の男性はベンチャー企業の成功者で金銭的な余裕がある上、自分のために割のいい働き口も紹介してくれたという。「有希がなんと言うか?」と娘の名を出すと、簡単に「有希にはもう話してあります」と言われた。私は戸惑ったが、何に大して戸惑ったのか自分でも分からない。今にして思えば、きっと有希が何の戸惑いも見せなかったことにかもしれない。

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