そんなことを考えているうちに、妻はせっせと私の荷物をまとめ始めていた。離婚して、今日別居する私の荷物をである。つくづく女という生き物は強いものだと思う。様々な自分の思いを帳消しにしてまでも、今自分が為すべき事に没頭できるのだ。彼女達はそれが正しいことか否かなどに興味は無く、純粋にその努力がもたらす結果のみを追求するのか?既に愛を失い、軽蔑と嫌悪だけを感じる私の為にする荷造りも、単に自分の新しい生活の準備と割り切れるのだ。
「これから一人で大丈夫なの?」
妻は荷造りの手元を見詰めたまま、振り返らずにそう言った。これでも十年間暮らした仲であるから少しは憐れみが残っているのか?しかしそれは私の方の一方的な思い込みで、彼女は単に「さようなら」と言う代わりにそんな奇麗事を言ったに過ぎない。荷造りする妻の顔が微笑んでいたのをわたしは見ていたのだ。
「パパ夜更かししちゃ駄目よ」
ふいに背中から声がした。有希だ。
「煙草も吸い過ぎちゃ駄目」
と畳み掛けてくるので「『駄目駄目』ってうるさいなあ」と言い返した。もはやこの娘の声を聞く機会も無いのだろうと思うと感傷的な電流が胸の辺りに走ったが、わずかな時間でそれは収まった。娘は、少なくとも金銭的にはこれからの生活の方が何倍か恵まれているに違い無いのだ。ブランド物の洋服を我慢せず買うことが出来るだろうし、友達の誕生日プレゼントに安くて見栄えの良いものを四苦八苦して探す必要も無くなる。連休には遊園地に行ってフリーパス券で入場できるだろうから、残り少ない回数券を数えながらどれに乗ろうか思案する必要は無いのだ。それは妻も変わらない。妻はそれに加えて私に気兼ねすることなく好きなだけ恋人に愛して貰うことが出来るのだ。
 つまり、私が一人ぼっちになればみんな幸せという訳だ。
 何となくだが、いつかこういう日が来る予感がしていた気がする。今になってみれば、随分と長い間、会社も人生も順調だったらしい。会社も、自分はまあ普通くらいだとずっと思っていた。人生だって結婚して有希が生まれ、人並みに満足していた。普通とか人並みなどと思えたこと自体、幸せだったということだ。だからこれから一人になっても、暇を持て余さないで済む程度の思い出は沢山ある。

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